これからの1000年を紡ぐ企業認定
Jun 10.2021

人生のあらゆるシーンにおいて選択肢の多様性を提供する「L&Gグローバルビジネス」

株式会社L&Gグローバルビジネス(以下、L&G)(2022年6月1日付、株式会社水星(英社名:SUISEI, inc.)に社名変更)は「ライフスタイルを試着する」場である「メディアとしてのホテル」の運営を起点に、WEBや紙のメディア、ITサービスを使った新しい旅行体験の設計など、幅広い事業を展開。日常の様々なシーンで、新しい選択肢を提案しています。

人生のあらゆるシーンにおいて選択肢の多様性を提供する「L&Gグローバルビジネス」

街に人の流れを生み出し地域と共生していくホテルを

── 会社を設立したきっかけを教えてください。

龍崎さん:小学生であったアメリカ在住時に、泊まりたいホテルに巡り会えなかった経験から、ホテル経営を志し2015(平成27)年に弊社を設立しました。人、街、文化が出会う「ソーシャルホテル」というコンセプトを掲げ、街の資源を奪い取るような焼畑農業的なホテルではなく、ホテルを通じて街の魅力を外部に伝え、街に人の流れを生み出し地域と共生していくホテルを経営・運営しています。

── 「地域と共生していく」ために、どのようなことをされていますか?

龍崎さん:京都市南区・東九条の「HOTEL SHE, KYOTO」、大阪市港区・弁天町の「HOTEL SHE, OSAKA」をはじめとして、L&Gの運営している5か所のホテルはいずれも観光や娯楽に優れた場所ではありませんが、陽の当たらない地域の魅力を掘り起こし、その街のストーリーや空気感を織り込んだホテルづくりを行っています。街の名前とともにホテルを発信していくことで、街に新たな人の流れを生み出すことができ、自分たちの利益を最優先するのではなく、街との共生関係の中で、街の価値を高めていく事業に大きな比重を置いています。

── 一般的には立地条件の優れた場所にホテルを建てることが多いと思いますが、L&Gさんの場合は少々違うようです。そのようなスタイルを選ばれた理由を、さらに詳しく伺いたいと思います。

各ホテルのある自治体や地域の事業者と積極的に連携

── 具体的にどのような取組をされているのか、教えてください。

龍崎さん:一例として、「HOTEL SHE, OSAKA」では、地域の商店街と連携し、宿泊されるお客様には、積極的に商店街のお店を紹介しています。この一連の活動に大阪市港区が共感してくださり、築港・天保山にぎわいまちづくり実行委員会と共に、港区のディープな魅力あるスポットを紹介する多言語フォトガイドブック「OSAKA BAY DIARY」を製作・配布しました。

── 「L&Gさんのホテルだから泊まりに行き、そして、その街で楽しむ」という旅が成り立ちますね。

龍崎さん:はい、そのような使い方をしていただければと思っています。また、北海道・上川町では自治体及び広告代理店と共に地域活性化に取り組んでおります。弊社が運営する「HOTEL KUMOI」へ全国から地方創生に関心のある方々がインターンとして参加してくださり、ホテル運営の傍、上川町の活性化プランを企画・実行支援しています。中でも、インターン生の発案で生まれた「KAMIKAWORK」企画は、毎年40人近くの大学生が参加する3泊4日の冬の一大イベントになっています。ローカルスタディツアーの形式で開催し、地域活性化についての議論も行います。

── 今回の企業認定では、L&Gさんがホテルを軸としたライフスタイルの提案や地域貢献など、特定の社会課題の解決に限定することなく事業を進められている点が評価されていました。

人生のあらゆるシーンにおいて、選択肢の多様性を提供する

── 現在取り組まれている事業について、今後はどのような展開を考えられていますか?

龍崎さん:私たちは「ホテルとは衣食住を包括した空間」であり、「ホテルとはライフスタイルを試着する場所」であるという考えから、社会に提案すべき新しい選択肢の多くはホテル空間を通じて体験・発信をすることができると考えています。そのため、今後もホテルというメディアを通じて、社会に求められている新しい選択肢を提案していきたいです。

── 利用者にとってホテルは「泊まる」場所という意識がありますが、確かにその中には衣食住のすべてが含まれていますね。

龍崎さん:現代の社会は一見豊かに見えますが、よく観察すると私たちが気づいていないだけで、実は人生のあらゆるシーンにおいて選択肢の多様性が欠如していると感じます。具体的には、進学・キャリアの形だったり、居住の形だったり、育児や教育の形だったり、パートナーシップの形であったり。そのような、日常に埋もれている不便や不満の根源に向き合い、選択肢の多様性を増やす提案をしていきます。

── 今後、L&Gさんが今の社会に対してどのような選択肢を提案してくださるのか、とても期待しています。ありがとうございました。


 

「これからの1000年を紡ぐ企業認定」第5回認定企業インタビュー一覧

アボワールインターナショナル(株)
(株)L&Gグローバルビジネス
(株)ナールスコーポレーション
(株)FUKUDA


photo:龍崎 翔子
龍崎 翔子
L&G GLOBAL BUSINESS, Inc.代表(2022年6月1日付、株式会社水星(英社名:SUISEI, inc.)に社名変更)、CHILLNN, Inc.代表、ホテルプロデューサー。

1996年生まれ。2015年にL&G GLOBAL BUSINESS, Inc.を設立し、「ソーシャルホテル」をコンセプトとし、2016年に「HOTEL SHE, KYOTO」、2017年に「HOTEL SHE, OSAKA」を開業したほか、「THE RYOKAN TOKYO」「HOTEL KUMOI」の運営も手がける。2020年はホテル予約システムのための新会社CHILLNN, Inc.を本格始動。また、同年9月に一般社団法人Intellectual Inovationsと共同で、次世代観光人材育成のためのtourism academy "SOMEWHERE"を設立し、 2021年2月よりオンライン専用の講義を開始。

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