PREMIUM FRIDAY INTERVIEW
Oct 26.2018

SILK流!プレミアムフライデー インタビュー企画【第21回】仲川依利子さん |有限会社セメントプロデュースデザイン

ワークとライフをバリっと分けて、余暇を充実させるのも素敵ですが、イキイキできる好きなシゴトを通して人生を充実させ、充実した人生をまたシゴトに活かしていくことで、色とりどりの社会をつくる、という生き方をSILKは応援しています。

毎月のプレミアムフライデーに「ワークライフミックス」の生き方を考えるきっかけにしてもらえたらと思い、2017年2月より毎月、インタビュー記事を掲載しています。

第21回目は、第三回これからの1000年を紡ぐ企業認定 認定企業の有限会社セメントプロデュースデザインのディレクター仲川さんです。お客さんと職人さんを繋ぎ、心から喜んでもらえるプロジェクトにするために仲川さんが心がけておられることとは。ぜひご一読ください。

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SILK流!プレミアムフライデー インタビュー企画【第21回】仲川依利子さん |有限会社セメントプロデュースデザイン

Q: どんな仕事をされているか、簡単に教えてください

A: 有限会社セメントプロデュースデザイン(以下セメントプロデュースデザイン)のプロデュース部サブマネージャーという立場で、ディレクターとして働いています。
セメントプロデュースデザインは企業や商業施設やメーカーのグラフィック、WEB、プロダクトデザインを手がけ、マーケット感覚をもったデザイン設計だけでなく、流通へ落とし込むために必要な考動もしている会社です。そして、500を超える工場や職人と流通を見据えた形での商品開発活動を進めています。東京・大阪に事務所があり、この度京都にも拠点を設けることになりました。
私はその中で、お客さまとデザイナーや職人さんたち、つくり手との橋渡しをする仕事を主にしています。お客さまが何を求めているのかをしっかり汲み取り、依頼内容をまとめたうえで、デザイナーや職人さんに仕事を振り分けていきます。また、いろいろな制作物が同時進行で動いているので、スケジュール管理をしたり、お客さまと職人さんとの間に立ってやり取りをしたり、企画段階から納品までの全体を見届けながら円滑に進行するように運ぶのが私の役割です。
特に京都では伝統工芸の職人さんたちとお仕事する機会が多く、最近のお仕事では、星のや京都様からご依頼いただいた夏のイベント企画があります。施設内のお庭の池に納涼床を期間限定で設置される演出を担当させていただきました。星のや様は「納涼」という過ごし方を文化体験ととらえ、クーラーの効いた室内ではなく、夏こそ外へ出て納涼文化を楽しんでもらいたいという想いを持っておられましたので、この納涼床を京都の工芸職人がつくる風鈴でいっぱいにし、目と耳で涼を感じていただきましょうとご提案しました。そこで、京焼・清水焼、京仏具おりん、西陣織箔、手描友禅、竹工芸などの10人の職人たちにお願いし、星のや京都様オリジナルの風鈴を10種類、制作していただきました。滞在されたお客様からは大好評だったようで、来年の夏に向けて新たな企画も動き始めています。

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Q: シゴトしている時と生活している時、共通して大切にしていることは何ですか?

A: 「思いやり」と「笑顔」を大切にしています。
私の場合、1日の中で仕事をする時間が大半を占めていると思います。その中でも、共に仕事をするスタッフや取引先の方、職人さんなど、人と関わる時間が私はかなり多い方です。なので、どうせなら同じ時間を過ごす人たちと良いコミュニケーションをとりたいと思っています。同じことを伝えていても、言い方一つで相手が気持ちよく受け取ってくれることもあれば、嫌な気持ちにさせてしまうこともあると思います。だからどんなに忙しくても一呼吸おいて「思いやり」を持って、「笑顔」で話す。そうすると、相手も笑顔になってくれるし、返事も変わります。忙しさにかまけて見て見ぬ振りをしてしまいがちですが、悩んでいたり、手がいっぱいになっているスタッフがいたら私は声をかけようと心がけています。

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また、お客さまや職人さんなど立場が違う人へは相手の立場に立って考え、いろんな事情のある職人さん、上司との間で挟まれているお客さまなど、その人の状況を汲み取り、言葉ひとつひとつメール送る時も気をつけています。時にはメールや電話で済まさず、直接会いに行ってお話することもあります。顔を見てこそ、伝わることもありますよね。思いやりを持つと自然と相手がどうしてほしいとかなんとなくわかるようになってきます。普段の生活の中でも、家族との間では冷たく言いがちな言葉、そして「ありがとう」の一言なんかも笑顔で心がけています。あと、人によく道を聞かれたりします。もちろん、困っている人を見かけるとすぐに助けてしまう性分なので、それが顔に出てしまっているのかも(笑)

Q: 仕事をしていて特にうれしいと思うときは?

A: 何よりも「仲川さんと一緒に仕事をして良かった!」と言ってくださることにつきます。
先日、寺町でお茶の販売をされている京都ぎょくろのごえん茶様にご依頼をいただいて、新しいブランド「HANA CHABA」の企画のお仕事をさせてもらったのですが、初めて東京の展示会に出展される、また今までのごえん茶様のお客様層とは異なる層へ向けたブランドを立ち上げるということもあり、ゼロからのスタートでした。ロゴデザイン、パッケージデザイン、そして展示会の演出とデザイナーと共にごえん茶様に寄り添い、自分のブランドを立ち上げる気持ちで頑張りました。その結果、想像以上にたくさんの店舗から引き合いをいただけたり、目標にしていた企業からもお仕事が舞い込んできたりと、「HANA CHABA」は好調なスタートとなりました。展示会を終えたあと、今回一緒にお仕事したチームの方から「自分たちが思い描いていた世界以上のモノが見えてきた。それは仲川さんがいなかったらできなかった仕事です。」と言われたことがすごく嬉しかったです。これからもこのようなお客さまをいっぱい増やしていきたいと思っています。

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Q: 仕事や人生を通じて実現したいことは何ですか?

A: 京都はもちろん日本全国に工芸はたくさんありますが、埋もれてしまって知られていないものがまだまだあると思います。たまたま縁あって、私は伝統工芸に携わる仕事をさせていただいてます。私は10年ほど茶道を学んできてましたので、「着物」や「茶道具」などは身近なところにありますが、まだまだ知らない焼き物もありますし、織物もあります。多くの人は、工芸品と聞くとすごく敷居を高く感じたり、名前すらも知らないかもしれません。でも、何百年も継承されてきた技術や素材があるということは、少なからずどの時代にも人々の生活に関わってきたと思うんです。私は、今のこの仕事を通して、一人でも多くの人に知ってもらい、使ってもらいたいと願っています。継ぐ職人さんがいない、売れない、消えかけてる工芸など、マイナスなことばかり聞きますが、今の時代だからこそ必要とされることもあると思ってます。

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koubo「モノを大切に長く使う心」「描かれた文様の意味」「先人の知恵」など、工芸品を通して感じることができます。安価で、便利なモノがあふれる豊かな現代の中で、心も満たされる本当の意味での「豊かな生活」は生活の中にほんの少しだけそういうものを取り入れてみることで実現できると私は思っています。工芸=美術品・高級品と捉えられて敬遠されないように、日々の生活に取り入れやすいように、商品やイベントを通じてこれからも広めていきたいと思っています。

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photo:仲川  依利子
仲川 依利子
有限会社セメントプロデュースデザイン プロデュース部
地域チーム サブマネージャー

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