COLUMN
Mar 10.2016

新しいしずおか,新しい日本をデザインする「地域イノベーターサミット」

2015年12月に京都市で開催した「ソーシャル・イノベーション・サミット2015」。全国で「わが町」を活性化しようと活躍するイノベーターが京都に集まっていただいたことで,多くの方々が我々と同じ想いで活動されていることがよく分かりました。

実は,2016年2月,静岡県内で活躍するイノベーターに集まってもらおうという「地域イノベーターサミット」が開催されました。「新しいしずおか,新しい日本をデザインする」をテーマに,静岡と日本を活性化しようというイベントです。京都市ソーシャルイノベーション研究所も,この「地域イノベーターサミット」に参加してきましたので,レポートさせていただきます。

新しいしずおか,新しい日本をデザインする「地域イノベーターサミット」

新しいしずおか,新しい日本をデザインする「地域イノベーターサミット」開催

「地域イノベーターサミット」は,静岡県内で活躍する企業家やNPOの代表者が集まり,これからの協働や静岡への移住・定住を促すことなどを目的に開催されました。
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冒頭,主催者である静岡県から,これまでのような補助金ありき・補助金依存型の施策ではなく,企業,NPO,基礎自治体等が連携していくためのネットワーク化が目的である,との説明がありました。

実はこのサミットでは,静岡県に立地する様々な金融機関が後援団体として参加されており,当日も金融機関の関係者が参加されていました。補助金に依存したボランティア型の事業から,持続可能な自立型事業へ。地方創生のためには,このようなビジネスの観点が必要だというメッセージだと感じました。

サミットは,「地域おこし」「起業・産業振興」「活動の拠点づくり」「情報・ネットワーク」の4分科会と,「ふじのくにNPO活動基金成果報告会」の合計5会場に分けて開催されました。特にNPOの皆さんによるソーシャル・ビジネスのカテゴラリーとしては現状をよく反映しているなぁ,という印象で,参加者の皆さんも比較的スムーズに会場を移動されていました。

まずは「起業・産業振興」分科会に参加。トップ・バッターとして㈱エムスクエア・ラボの加藤 百合子社長が登壇されました。
米航空宇宙局のプロジェクトに参加した経歴を持つ加藤社長は,元々農業機械の開発者。補助金を受けることを前提としない農業機械開発により農業の生産効率を上げていくことを目指されています。農業分野のコンサルティングのほか,羽田空港内に加工・物流拠点を作ったり,「磐田シティファーム」ではオープンイノベーションによる農業機械開発にも従事。

イノベーター活動発表風景

イノベーター活動発表風景

講演の後,加藤社長にご挨拶したところ,「京都にもちょくちょく行っているんですよ~。」という嬉しいお言葉。静岡と京都の意外な繋がりを知って,嬉しくなりました。

このほかにも中心市街地でのビル・リノベーション事業を手がけるNPO法人,育児休業後の女性の活力をプロボノ的に活用するマーケティング会社,北海道と静岡県が互いに足りないものを補う「互産互消」を進めるライフスタイルデザイン企業など,興味そそられる事業者からの発表が続き,収穫の多い一日でした。

 

今回は,主に静岡県内の参加者の方々が多いように感じましたが,想いを同じくする我々のような県外からの参加者も増えていけば,より取組が広がっていくのではないか,という予感も。「移住者を互いに奪い合う」のではなく「東京しか選択が無いのではなく,移住者がきちんと選択できる社会」を実現したいと思いました。
これからも,静岡県のイノベーターに目が離せないです。

意見交換会の様子

意見交換会の様子

ふじのくにNPO活動基金成果報告会


photo:仲筋裕則
仲筋裕則
京都市産業観光局商工部中小企業振興課 ソーシャル・イノベーション創出支援係長。2012年から京都市ソーシャルビジネス支援事業を担当。 ビジネスを活用して社会的課題の解決に取り組む「ソーシャルビジネス」の認知度向上と 企業育成のための支援に取り組み、京都から日本の未来を切り拓く様々な活動を行う。

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