INTERVIEW
Sep 8.2021

佐藤大輔さんーイノベーション・キュレーター塾生インタビュー(第6期生)

ただいま、7期生を募集しているイノベーション・キュレーター塾(募集締切:2021年9月30日)。

今年7月に6期生として卒塾された方に、インタビューを通して塾の魅力と卒塾後に向けた取組を聞いてみました。

今回は、日本生活協同組合連合会に勤務し、生活用品事業に従事されている佐藤大輔さんです。塾期間中は東京から通われていました(ただ、緊急事態宣言下でオンライン参加となってしまった回もありました)。入塾されてから、ご自身の中で起こった変化、そして卒塾後の今に至るまでの実践やこれからのこと、思い描いているつくりたい未来について語っていただきました。

(写真のグラフィックレコーダーは、田中暖子さん(第4期卒塾生)によるものです。)

佐藤大輔さんーイノベーション・キュレーター塾生インタビュー(第6期生)

Q: なぜ、イノベーション・キュレーター塾に参加しようと思われたのですか?

佐藤: 今の組織で働いて10年、目の前の仕事を懸命にこなしてきて、その時々で置かれた環境の中では、「それなりに上手く物事を回せている」という感覚を持っていました。ただ、次の10年どう過ごしていこうかと考えた時に、全然上手く考えがまとまらなかったんですよね。この先を考えていくに当たり、自身の行動や思考の幹・軸となるものがない。そして、そもそもその軸を定めていくには、自分が知らないことや、見えていないことが恐らく多すぎるんだよなぁ、と漠然とした不安を抱え始めていました。そんなモヤモヤしていた時に、偶然当時の上司から「こんなのあるで」とイノベーション・キュレーター塾を紹介してもらったのが、入塾を考えたきっかけです。SDGsやESGに関して仕事上で触れる機会は増えてきていましたが、私自身としては様々あるソーシャルイシューに目を向ける機会も十分に持てておらず、新しい世界を見られるチャンスだと思いました。最後は、「モヤモヤしているくらいなら、とりあえず、行動を!」と考え、入塾を決意しました。

Q: 塾期間中に、取り組まれたマイプロジェクトの内容と、そこに込められた思いは?

佐藤: 私の場合は、一貫して「人と人とのつながり」にフォーカスを当て、マイプロジェクトに取り組みました。塾の中で、自身の人生を振り返ってストロングルーツの探求を行うのですが、その作業の中で「こんな人がいたから自分は何とか今まで頑張ることができた、こんな出会いがあったから自分を変えることが出来た」という想いに至ることが多かったんです。所謂、人と人との間で半偶発的に発生する様々な作用が、私の場合、非常に上手く働いてくれて、色々ありながらも自分自身これまで充実した人生を過ごすことができていたんだなと。そして、それを今過ごす毎日や環境に再度当てはめて考えてみたときに、住む地域の物理的に身近な方々との交流が本当に少ない、これは勿体ないことだな、とも思うようになりました。Well-Beingの研究では、個人の幸福度の高さと、人と人との有機的なつながりは、互いに好意的に作用し合うと言われていますが、身近にいる人達との交わりが少ないということは、一人一人の幸福度・生きやすさを高める機会を不意に失っていることともいえると思うので。そんな違和感から、そもそも地域のつながりが希薄化してきた要因や歴史的経過にも考えを巡らせていく中で、自助/公助の負担度が高い社会システム、職住分離の顕著化による地域コミュニティの喪失、それに伴う過度な個人主義化と利己性の高まり、これらの連鎖が地域のつながりの希薄化だけではなく、格差や少子化、環境破壊といった様々な社会課題の根本原因にもなっているのでは?という考えに至り、「地域のつながり作りから、様々な社会課題の根本解決に繋げる」をテーマにして、マイプロに取り組むことを決めました。

Q: イノベーション・キュレーター塾を受講する中で、どんな気づきがありましたか。また、その気づきにより、当初想定していたマイプロジェクトは現在どのように変化しましたか?

佐藤: 先ほどお話ししたように、マイプロは、あくまで私の主観的な考えや経験からスタートしていて、当初は「地域の身近な人同士がもっとつながれば、きっと良いことが起こるはずだ」くらいに捉えていた部分もありました。ただ、様々なゲストスピーカーや塾生の皆さんと対話していく中で、また塾と離れたところでも住んでいる地域の人たちの活動に参加していったこと等も通じて、視点や視座を変えながら、より俯瞰して自身の取組を見つめ直す機会をもらうことが出来ました。例えば、ADDressの佐別当さん(DAY7ゲストスピーカー)からは、そもそも住む地域やエリアに対しての新たな考え方や価値観を突き付けられましたし、チームプロジェクトに一緒に取り組んだNPOに勤める同期の塾生からは、引きこもりの方々が必要とするつながりは、私が想像するそれとはまた違った形であることを、実体験に則した言葉をもって学ぶことが出来ました。「つながり作り」といっても、つながり方やつながりの質、それを形成する個人個人の在り方といった、より深いところまで意識しないと、有機的なつながりを広げていくことは難しいものです。例えばそれが行われる場のデザインや、扱うコンテンツによって、つながること自体のハードルの高さや、つながった後の作用は様々変化していくもので、それが人との関係性や、その人自身に良い影響を与えたり、悪い影響を与えたりすることがある。そんなことに身をもって気付けたことは、非常に良い経験でした。

Q: 現在の取組についてご紹介お願いします。

佐藤: 現在、私の働く生協は、安全安心な商品の提供を通じて全国の組合員の日々の生活を支えていくことが事業の核となっています。一方で、組合員活動等のソフト面の取組も行っていますが、お互いが割と切り離されていて、「それぞれがそれぞれで頑張っている」状態になっているのが現状かなと思っています。そんな中で、私は買い物という「普段の生活行動」と、有機的な人と人との「つながり作り」を上手く融合していきたい、そんなことを考えています。元々生協は、社会情勢が不安定な中で、人々の自発的な共助から生まれた組織なので、原点回帰に近いところでもあります。

今、生協内で事業や組織改革の様々な取組みが進んでおり、私も幾つかのプロジェクトに参加しているので、その中で議題にあげて検討を進めている感じです。他にも課題は山積みなので(笑)、少し時間はかかるかもしれませんが、具体化に繋げていけたらと考えています。また、プライベートでも、地域の色々な取組に顔を出したり参加してみたりすることは続けています。やはり自分自身が当事者になって考えていかなくてはならないですからね。

Q: これからどんな未来を実現したいと思っていますか?

佐藤: 私達一人一人が、今よりも少し自分の周りのことに気を配って、良い行動を起こしていける社会に出来たら良いなと考えています。利他性が利他性を呼ぶというか、結果的に一人一人の自分事が少しずつ広がって、周りの人にも環境にも優しくなれる、そんな社会を目指していきたいです。このことの実現をするための1つの要素として、今の私の取組があると思っています。

Q: 「イノベーション・キュレーター塾」って説明するのが難しいような気がしています(笑)。改めて、佐藤さんの考える塾の魅力って何ですか?

佐藤: 私自身、「イノベーション・キュレーター」についてはあまり理解せず入塾しましたが(笑)。高津塾長も良く仰ってましたが、良い社会をつくっていくためには、実際に何か物事を推し進める「実践者」と、その取組を支持・応援する「伴走者」が必要だと思います。この塾は、その実践・伴走のどちらの視点も身につける機会を持てる場ですし、何よりも色々とチャレンジすることへの心理的ハードルを感じにくい場だという感じがします。塾長やサポーター、卒塾生、同期の塾生、運営スタッフの皆さんがとてもフランクですし、ちょっと躓いたら様々な形で手を差し伸べてくれるので、安心感を持って参加出来るところです。時折厳しい突っ込みを受けることはありますけども(笑)。

Q: 第6期は、(コロナ渦の影響で)仕方なくオンライン開催となってしまった回がありましたが、基本、対面・リアル講座での実施としています。リアルだったからこそ得られたことがあれば教えてください。

佐藤: オンラインだと、「あなた」と「私」が色々な点で明確になってしまう場だと思うんです。それって良い面もあれば悪い面もある。答えの良く分からないことについて探求的な議論や対話を進める時って、参加している人との間でのノンバーバルなコミュニケーションや、その場の空気感、ポロっと発せられた独り言のような一言から色々な気付きを得られることも多いと思うのですが、オンラインではそこを感じ取ったり拾ったりすることが難しい。話す側と聞く側が明確に分かれてしまいますからね。その点はやはり対面開催だからこそ気づけることがたくさんあると思います。これは仕事中にも感じている課題です。あとは、塾後の交流会(飲み会、笑)。これはリアルじゃないと本当に色々難しい。今は御時世的にリアルでもなかなか難しいのが悲しいですが・・・。

Q: どんな人にイノベーション・キュレーター塾の受講を勧めたいですか?

佐藤: 何かに取り組みたいけど、なかなか一歩を踏み出しきれない、けれど社会に対して何らかの形で良いインパクトを与えていきたいという高い志を持っている方。前段でも少し触れましたが、塾には応援・伴走してくれる人達がたくさんいます。募集案内には色々難しい言葉も並んでいますが(笑)、知識や経験が少なくても大丈夫です。日常の中で自分が感じているちょっとした違和感を、自身の考えや行動に昇華していけるヒントを得られる場所ですので、少しだけの勇気を持って飛び込んできてください。私も卒塾生としてお待ちしています!。

ありがとうございました。これからも地域で、仕事で実践を続ける佐藤さん、卒塾後の活動も楽しみにしています。また京都にも来てくださいね。

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E-mail: silk[at]astem.or.jp (※[at]を@に置き換えてお送りください。)

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photo:佐藤 大輔
佐藤 大輔
日本生活協同組合連合会 勤務

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