イノベーション・キュレーター塾
Jul 18.2018

やりたいことの原点と実現したい未来を明確にする。│イノベーション・キュレーター塾 運営スタッフ×卒塾生 [対談後編]

やりたいことの原点と実現したい未来を明確にする。│イノベーション・キュレーター塾 運営スタッフ×卒塾生 [対談後編]

[前編]はこちら

実践する中でプロジェクトを色々な視点から見るようになり、内容もどんどん変わっていきます。

──石井さんのプロジェクトはどんな内容だったんですか?

石井: 途中でどんどん変わっていったんですけど、最初は、茅葺きに使うヨシという植物を使って環境保全をしながら収益を得るための事業アイディアを考えていました。でもそれでは見ている視点が低かったんです。事業を通じてどんな社会を作っていきたいかと俯瞰をするようになって、私自身が中小企業診断士としても仕事をしていく中で、地域や環境と企業が共生できるような社会を作っていきたいなと思うようになりました。

俯瞰するってそういうことかなと思います。最初はこういうことやりたい、こういうことって社会にとっていいよね、から始まって、それをなぜやるのか、理由を考えていく中でプロジェクトもどんどん変わっていくんです。最初と最後で同じ人の方が少ないと思います。

──「ストロングルーツ」という言葉を、キュレーター塾の話題でよく耳にするのですが、ストロングルーツを探ることにはどんな意味があるんですか?

山中: 「マイプロジェクト」を進める中で、「ストロングルーツ」を深掘りするんですけど、自分がなぜそのプロジェクトをやりたいのか、自分が抱えている違和感やもやもやする気持ちの原点を探っていきます。そうすると、実現したい未来がクリアになる感じですよね。なんとなく思っていることが、原点が見えることではっきりするんです。

石井: 壁にぶつかった時に、そこに戻れるんですよ。アクションを起こすためのエネルギーになるし、うまくいかなかった時にも目指すところがぶれない。でも、最初は何が原点か気づかないことが多いんです。自分でここやと思っていたことが、実は違った、という人が意外に多いです。

山中: 自分がなぜこういう取組をずっとやっていたのか気づいた時に、おっちゃんがぼろっと泣いたこともあります。なんとなくおもしろいからやっていたつもりだったことが、過去の話を掘り下げていく中で、あの時辛かったから今こんなことしてるんや、ということに気づいて涙をこぼさはって、皆ではっとなりました。人によっては過去の経験を出すのがしんどいこともあるので、本人が話したいことしか聞きませんが。

必ずしも辛い経験というわけではなくて、高校の時にサッカーをしていて、すごく強いチームだったけれど、スターになりたい人ばかりが集まってチームとして強くなれなくて、チームワークやチームのために貢献することが大切やと思ったことが原点だという方もいました。今は会社経営をしていて、従業員が笑顔で働けることが自分のやりたいことだとおっしゃっています。

手段が目的になってしまうことがよくある。それを避けるために、原点とゴールを明確にします。

──やりたいことの原点や実現したい未来が明確になると、プロジェクトの進み方が変わってきますか?

山中: 進み方が変わるというか……自分のプロジェクトがうまくいかない時、それらが明確になっていないと、そのプロジェクトを成功させること自体にやっきになってしまうことがけっこうあるんです。そのやり方をやめて他の方法で実現するという選択肢もあるのに、手段が目的になっちゃうというか。

山の頂上がはっきりしていれば、登るルートはたくさんあるし、もっと言えばロープウェイとか飛行機を使ってもいいわけです。そうやって柔軟に考えるためにも、実現したい未来というゴールをはっきりさせることがすごく大切です。

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──なるほど。プロジェクトは卒塾後も続いていくという前提でされているんですか?

石井: そうです。卒塾後も、実践研究会といって、卒塾生で集まって報告や議論をする会を開催しています。キュレーター塾の目的は、塾生が自分のプロジェクトを成功させることだけじゃなくて、キュレーターとして周囲に影響を広げていくことなので、実践研究会でキュレーターとしての力もつけていけるといいなと思います。卒塾後も大事……というより、卒塾がスタートですね。

目の前のお客さんだけでなく、その先にある社会や地域のことを考えた提案ができるようになった。

──塾生さんの変化やアクションの例について、もっと教えてほしいです!

山中: コンサル業で大きく変わった人がいますね。その人はもともと、クライアントの要望や望む成果を聞いて、そこに向けての手段を提供するだけのコンサルをしていて、自分が関わることによる価値を生み出せていなかったんです。来た仕事をそのまま受けるだけなら、誰がやっても同じですよね。

石井: クライアントからしたら、自分たちの要望を満たしてくれるのでそれでいいわけです。ただ、その先にいる社会や地域の人にとってどうなのかという視点がなかったので、本当にそれでいいのかと考え始めて。地域全体を良くするためにもっとこうした方がいいのでは、という視点を広げた提案ができるコンサルタントに変わっていきました。

山中: 所属している会社自体のコンサルのやり方も変えていきたいという話をしてはりましたね。毎年、転職や独立をする人も出てくるんです。今の仕事では自分の描く未来は実現できないから、仕事を変えようとアクションを起こすんです。

石井: 関西から東京に転職して、家族も一緒に引っ越した方もいますね。かなり大きな決断だと思うのですが、塾で自分の原点や目指す未来が明確になったことでそれだけのエネルギーを持って行動できたのかなと思います。一方で、会社の中での立場とか、上司の意見とか、色々な理由を挙げて行動できない人もいます。でも、目指す未来がはっきりしていたら、実はどの場所にいても自分のやりたいことができるんですよね。

山中: プロジェクトは目指す未来を実現するための手段にすぎないので、場所が変わればプロジェクトの中身を変えればいいんです。俯瞰して見られていないと、場所が変わると実現したい未来まで変えないといけないと思ってしまうんですけど、そうじゃないんです。例えば、大室所長のプロジェクトは「子どもに青い空を残す」です。SILKも含め、全ての活動がそこにつながっているんです。

──確かに!ちなみに、石井さんのプロジェクトを進める中での大きな壁は何やったんですか?

石井: うーん……あんまりないですかね……。私自身は、壁を乗り越えることに楽しさを感じるので、後から思うとあれたいへんやったなと思うことでもその最中にいる時はあんまり何も思っていないです。

山中: 石井さん、すごく負けず嫌いですよね。ポジティブな負けず嫌いやから、常に行ったれ!って感じがする。

──いいですね(笑)今日はありがとうございました!

イノベーション・キュレーター塾は、SILKの事業の中で最も外から見えづらい活動だと思います。私自身、お二人にお話を伺うまで、なんとなく何をしているのか想像はできても具体的なイメージを持てずにいました。今回の対談で、キュレーター塾が生み出す変化の波を少しでも感じていただければと思います。3期生はまもなく卒塾式を迎え、4期生の募集が始まっています。ご興味をお持ちの方はぜひ説明会にご参加ください。

写真・文:柴田明(SILK)

[メンバー]

山中 │ SILK立ち上げメンバーであり、キュレーター塾の運営にも第1期から携わる。毎年塾生たちと笑いあり涙ありの濃密な日々を過ごしている。

石井 │ キュレーター塾の卒塾生(2期生)であり、2018年4月からSILKに参加。中小企業診断士、茅葺きの会社の経営管理担当としても活動中。

柴田 │ 2018年4月から広報担当としてSILKに参加。Web制作のディレクター・コピーライターとしても活動中。


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