未来の西京まち結び
Oct 31.2019

自分に合った複業とは?好きなことを起点に、小さなトライから始めよう!

「未来の西京まち結び〜みらまち結び〜」の第3回公開イベントは、カフェトーク「パラレルキャリアのススメ 自分に合った複業を始めよう!」。個性豊かな登壇者3名にお話いただき、「『やりたいことを実現している人』が京都でイチバン多い区に!」というテーマがより具体的に見えてきた夜でした。

自分に合った複業とは?好きなことを起点に、小さなトライから始めよう!

photo by Yukiya Sonoda

この日、公務員、自営業、会社員というそれぞれの立場から複業を語ってくださったのは、こちらの3名です。

○秋田 大介さん
神戸市役所(公務員) × NPO法人

○澤野 ともえさん
一般社団法人(自営業) × フットケアサロン

○其田 有輝也さん
気象予報士(会社員) × フォトグラファー

ここでは主なお仕事2つを挙げましたが、皆さんこの他にもさまざまなお仕事をされています。一方、参加者の方々に現在のお仕事を伺うと、大半の方が会社員一筋、フリーランスと経営者がそれぞれ数名、すでに複業をされている方は1割に満たないという印象でした。

色んな人から相談を受けるようになって、その中のひとつが複業に

まずは、お三方にそれぞれの複業模様を紹介していただきます。

秋田: 公務員、イクメン、社会活動家、ダンサー、この4つが僕の仕事です。神戸市に新しくできた「つなぐ課」という部署で特命課長をしながら、10歳と6歳の二児の父、そしてNPO法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクトの副理事長をしています。そこにプラスして、時々ストリートダンスの仕事もある、という感じです。

photo by Yukiya Sonoda

秋田: 神戸市は、日本で最初に職員が複業するためのルールを決めた自治体として注目されています。今までも、知事や市長が了承すれば地方公務員は副業が可能だったのですが、その基準があまり明確ではありませんでした。神戸市が定めたルールというのも、地域に貢献できる仕事だったらOKという単純なものです。その中でも僕は法人から報酬をもらう一人目の複業職員になったので、テレビなどの取材をたくさん受けました。もともと、市役所で都市計画を担当していて、神戸の街のあり方を考えるためにたくさんの市民の方々にお話を聞いていたんです。そしたら色んな人から相談を受けるようになって、その中の一人から「車椅子ユーザーでも海水浴できるビーチを神戸に作りたい」という話が出てきました。

これが実現したらおもしろいなと思い、最初は任意団体として活動を始めました。クラウドファンディングで資金を集めて、アメリカ製の車椅子用ビーチマットを波打ち際までの80m分、購入することができました。ビーチマットは1mあたり2万円もするんです!あとは水陸両用の車椅子があれば海水浴ができるということで、車椅子は借金をして自分たちで買いました。実際に障がいをお持ちの方に海水浴をしてもらうと、皆さんものすごく感動してくれたんです。寄付もたくさんいただきました。この活動は続けていかなあかんと思い、NPO法人を立ち上げることになりました。

photo by Yukiya Sonoda

秋田: 今は、声をかけてくださった全国各地のビーチに取組を広げることと、田植えや木登り、畑の収穫、乗馬など夏以外にも楽しめるプロジェクトが始動しています。こうした活動は、僕らがやろうと言って始めるのではなく、参加してくれた障がいをお持ちの方たちが「次はこんなことやってみたいんですけど……」と声を上げてくれるんです。皆さんの思いを受けて僕たちも一緒にチャレンジしている、という感覚です。

秋田さんがこれまで縦横無尽に多くの人と関わりながら活躍してこられたことが、神戸市の「つなぐ課」の誕生にもつながっています。縦割りで進んでいく役所の仕事に横串を刺すために結成されたこの課の活動も、行政の先進的な取組として全国から注目されています。

文化財とフットケアで、心身の健康を実現したい

続いては、笑顔がとってもチャーミングな澤野ともえさんにお話しいただきます。

澤野: 一般社団法人文化浴の森の代表理事として、文化財を楽しむウォーキングガイドをしています。私は二度起業をしています。文化財を巡ってたくさん歩いたことから、ふたつめの事業、自然療法フットケアTomoyeを始めました。私も、もともとは皆さんと同じ会社員だったんです。サービス業に就職した後、起業したいという思いで、まずは経営を勉強するために父が営む文化財修復業の会社へ転職しました。そこで業務として文化財に関わる中で、お寺や神社へ行き、歴史と文化に触れることで人の心と体が健康になると思うようになりました。

photo by Yukiya Sonoda

澤野: そうして文化財を巡るガイドを始めたのですが、毎日色々な文化財を訪ねて歩き回るうちに、足の痛みやぎっくり腰に悩まされるようになったんです。そこから生まれたのがフットケアの事業でした。文化財に触れることと、歩くこと、この2つを融合して、関わってくださる方々に心身共に健康になっていただきたいと思っています。

2018年から新たにスタートしたのが、50歳からの人生を豊かにする文化浴大学という事業です。私は独身なんですけど、「ゆるい家族」という言葉をよく使っていて、色んな人とゆるやかなソーシャルネットワークを築いて暮らしていくことが大事だと思っています。これまでの活動をベースにコミュニティをつくっていきたいと思い、“余”年制大学と銘打って、文化浴大学を開校しました。

文化財とフットケア。一見関係のないように見える2つの事業を、ご自身が辿りついた「心身の健康」という軸で重ね合わせ、両立している澤野さん。そのしなやかな生き方・働き方が、それぞれの事業の魅力にもつながっているのだと思います。

複数のスキルを掛け合わせて、付加価値を上げていく

続いては、これまでSILKが開催してきた数々のイベント登壇者の中でも珍しい20代、其田さんのお話です。ミレニアル世代と呼ばれる若い世代の仕事観に、参加者の方々も興味津々の様子です。

其田: 僕は会社員として気象予報士をしながら、妻と2人でカメラマンの仕事をしています。妻とは事実婚を一度挟んで、今年入籍しました。今、彼女は香川県でシェアハウスを運営しているので、別居婚なんですけどね。

今、仕事は全部6つあります。会社員として給与をもらっているのが気象予報士とWebデザイナー。個人事業主として収入を得ているのが、フォトグラファー、通訳案内士、シェアハウス、メディアの4つです。勤めている会社は、実は副業を原則禁止としているんですけど、社長を説得してなんとか許可をもらいました。僕の場合は週に5日、同じところで同じ仕事をするという働き方が性に合わないみたいで、どうしても煮詰まってしまうんです。なので、自分が持っているスキルを掛け算して、いかに付加価値を生み出すかを考えて色々な仕事をしています。


其田: 気象予報士も通訳案内士も、その仕事だけで食べていける人は1割くらいだと言われています。写真も撮る人がどんどん増えて、単価がすごく下がっています。その中で僕が提供しているのは、気象予報士として桜や紅葉の見頃と天気予測をしてルートアレンジをし、通訳案内士として文化や産業を紹介し、フォトグラファーとして思い出を可視化する撮影をする、というロケーションフォトと観光を兼ねたプランです。

春と秋はフォトグラファーの繁忙期なので、朝から晩まで撮影をする日もあります。逆に、気象予報士は夏と冬が忙しいんです。社長に交渉して勤務をフレックス制にしてもらっているので、勤務前後に撮影やガイドに向かう日も多いです。

会社員と個人事業主で色分けした月ごとの収入グラフを開示してくださったり、時間を作るために心がけていることや導入しているツールを教えてくださったりと、ご自身のライフハックを包み隠さず共有してくださった其田さん。イベントの写真も撮っていただき、ありがとうございます!

photo by Yukiya Sonoda

まずは小さなトライから!好きなことから始める複業

後半のトークセッションでは、

Q. 幸せ度数は上がりましたか?
Q. 次に手を出そうと目論んでいる事業はなんですか?
Q. どうやって複業でもお金を稼げるようになったんですか?

などなど、参加者の皆さんからの様々な質問にお答えいただきました。「インバウンド観光の撮影を始めた頃は、祇園で海外の方をナンパして無料で写真を撮らせてもらってました」という其田さんや、「自分の軸は中学2年生の時にもう決まっていたんです。『ニュートン』という科学雑誌を読んで地球が危ないことを知って、そこからずっと環境問題のことを考えています」という秋田さんの言葉に、会場からは驚きや尊敬の入り混じったどよめきが何度も聞こえてきました。

私たちSILKもほとんどのメンバーが複業をしており、例えば、この日進行を務めたコーディネーター山中は5足のわらじを履いて生活しています。歴史を振り返ってみると、江戸時代の日本社会では百姓も武士も複業をするのが当たり前でした。これから複業する人はどんどん増えていき、複業が当たり前の時代が再びやって来ると言われています。現状のスキルやマネタイズに縛られすぎず、ぜひ好きなことを起点に小さなトライから始めてみていただければと思います!

お三方のお話にご興味をお持ちになった方は、ぜひWebサイトを訪れてみてください。

○秋田 大介さん
NPO法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクト
https://sumauniversalbeach.com/

○澤野 ともえさん
一般社団法人文化浴の森
http://bunkayoku.com/

○其田 有輝也さん
これからを生きるカメラマンのためのWebマガジン
https://haletoke.net/

会場は、阪急「洛西口」駅前にあるカフェ巣箱さんでした。美味しいドリンクと素敵な空間を、ありがとうございました!


▶︎ 記事一覧

[今後の予定]
11月30日(土) 13:00〜17:00
みらまちプロジェクト「やりたいことを実現するためのアイデアワークショップ」

1月13日(月祝) 14:00〜16:00
みらまちスタディツアー「先進事例を見に行こう!」

毎月1回、西京区役所で相談会を開催いたします。日程などはfacebookページにてご確認ください。
https://www.facebook.com/nishikyomiramati/

写真:其田有輝也(登壇者) / 柴田明(SILK)
文:柴田明(SILK)

photo by Yukiya Sonoda


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