INTERVIEW
July 07.2016

中小企業診断士 田中慎さんーイノベーション・キュレーター塾生インタビュー

現在、第二期生を募集中のイノベーション・キュレーター塾。
こちらでは、第一期塾生へのインタビューにより、塾の魅力と、塾生のみなさんに起こった変化についてご紹介します。

第二回目のインタビューは、税理士であり、中小企業診断士の田中慎さんにお聞きしました。
この塾で学ぶことで、税理士や診断士になるきっかけになった根っこの想いを言語化し、自分の実現したいことの本質をとらえることで、コンサルタントとして目指す未来がとてもクリアになったそうです。

実現したいことはぼんやりとあるけれど、どう実現したらよいか分からないという方、田中さんのインタビューを読んで、未来への一歩をイノベーション・キュレーター塾で踏み出しませんか?

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中小企業診断士  田中慎さんーイノベーション・キュレーター塾生インタビュー

■塾に参加したきっかけ:「大室先生が面白いから」

山中: まずは、イノベーション・キュレーター塾に参加しようと思ったきっかけを教えてください。

田中: green drinksというイベントに参加した時に、偶然、京都市ソーシャルイノベーション研究所(SILK)の所長の大室先生のお話を聞いたのがきっかけです。経営を見る際に様々なステークホルダーとの「関係性」を見ることが重要とおっしゃっていて関心を持ちました。その後、自己紹介した時、「税理士も診断士も嫌い」と言われ、「面白い人だな」と思いましたね(笑)。塾での学びを通して、先生がなぜ嫌いなのかは分かるようになりましたが、当時の私も、自分なりの企業支援のあり方を模索していたので、共感したのだと思います。ただ、「ソーシャル」も良く分からないし、塾で何をするか分からないけど、大室先生が面白いから行ってみようと飛び込みました。

■塾での気づき:「”実現したい未来”の本質は、必然的にシンプルな概念になる」

山中: すごい度胸ですね。実際に入塾されていかがでしたか?

田中: 2回目のレスポンスアビリティの足立さんのお話には驚きました。日本では「ソーシャル」というと特殊な分野で、社会に良いことではあるけれど主流ではないという印象を抱いていました。しかし、世界ではそうでない。持続可能なビジネスを考えるのがスタンダードであり、google、ネスレ、コカ・コーラなど、名だたる大企業が企業の存亡をかけて取り組んでいます。
また、SILKセミクローズド勉強会(※)でお聞きした、慶応大学SFCの井上先生の話も衝撃的でした。面白そうなことを話しているのに、言っている言葉が全然分からない。(笑)ちんぷんかんぷんながらメモを書き、家に帰ってからひとつひとつ言葉を調べてようやく理解ができた。自分と仕事と社会をつなげることについてじっくりお話しておられたのですが、今ではそれが自分の考え方の型になっています。
(※不定期に開催。IC塾塾生は優先的に招待)
また、前期の塾のゲストスピーカーのお話、そして、SILK勉強会での井上先生や大室所長、一般社団法人 re:terraの渡辺さやかさんなど、一線で活躍するゲストからたっぷりと話を聞くことで見えてきた共通プロセスがありました。

山中: それはどんなものですか?

田中: 塾の最初の宿題でも提出を求められたのですが、皆さん、「ストロングルーツ(自分が「これをやりたい」と思う強い、想いの根っこの部分)」があって、その上で、それに根差した「実現したい未来」があるということ。そして、「実現したい未来」に至る道のりはさまざまだけれど、俯瞰して「自分」と「実現したい未来」をみているからこそ、ブレることなく目標に向かっているということが共通していると感じました。

山中: たくさんのスピーカーの話を聞いて見出したんですね。

田中: そうですね。あと、「実現したい未来」の表現がみなさん非常に抽象化されていて、ある意味似通っているという事にも気づきました。たとえば、2回目のゲストの足立さんは、「環境を守りたい」という想いでご活躍されています。足立さんは初め研究者をされていたけれど、スピードをあげて環境を守っていくには、企業を巻き込まないといけないと、CSR専門のコンサルタントに転身されました。NPO法人スマイルスタイルの塩山さんは、「働くことを通じて若者に幸せになってほしい」と、現場の若者支援活動と、政策にコミットする活動を通じて「実現したい未来」に向かっておられます。お二人とも、手法は違えど、とてもシンプルな言葉で目指す未来を表現されているんですね。「実現したい未来」の本質を突き詰めていくと、必然的にシンプルな概念になるのだと気づきました。

■今後の挑戦:「彩りある未来をつくる」

山中: なるほど、確かにそんな共通点が見えてきますね。そんな田中さんの「実現したい未来」を教えてください。

田中: 彩りある未来をつくる。多様性のある社会を創ることです。多様性というと、女性や障がい者、高齢者の活躍などに焦点が当たりがちですが、それだけではなく て。誰もが、意思のある選択ができる人生、自分の可能性に挑戦することができる環境に出会える人生であってほしい。そして、自分自身も楽しみながら自分の可能性に挑戦し続ける人でありたいと思います。
次女が生まれる際に妻が長期入院するなど、暮らしを見つめなおす時期があったんです。そのと きから、「娘が笑顔で暮らせる未来」を実現したいと思うようになりました。それが彩りある未来だと思っています。大型ショッピングモールで買い物するのもいいけれど、「これからの1000年を紡ぐ企業認定」の和えるさんや、坂ノ途中さんなどの商品も意思を持って選んでほしい。作り手の想いに共感して消費す ることで、自分の知らなかった世界に関心が生まれて、見えてくるものがあります。世の中にはたくさんの選択肢がある。その選択肢がもっとはっきりと見える ようになれば嬉しいですね。

山中: そう思うに至った、田中さんのストロングルーツ、強い根っこの想いは何ですか?

田中: 「学びを通じて人は変わることができる」という原体験です。今まできちんと言葉にできていなかったのですが、私は人の「可能性」に関心があるのだと思いま す。自信がなくて声が小さい人も、その人の個性を受け入れてくれる環境があれば、そこで学び、新たな一歩を踏み出すことができる。自分がそうだったんです よね。だから学生時代に教師になりたかったし、今も企業支援の仕事をしている。誰もが自分の可能性に挑戦できる環境をつくりたい。それは塾を通じて自分と 向き合いクリアになったことです。

山中: 企業支援の現場で何か変化はありますか?

田中: 最近は経営者の方に、「ストロングルーツ」や、「実現したい未来」についてお聞きするようにしています。若手の経営者の中には、ご自身のやりたいことの本 質に気づかれる方も増えてきています。また、数字では表現できない企業の良さを「見える化」する仕組みづくりにも取り組んでいます。社会的インパクト評価 や統合レポートなどはあくまで手段の一つですが、その組織に沿った方法を提案していきます。

山中: 企業の目指す未来を支援するということでしょうか?

田中: 企業の表面的な課題だけではなく、もっと経営者の根っこや本質まで降りて行って、その上で実現したい未来に向かって必要な支援ができる支援者になりたいで す。課題に論理的に対処する西洋医学的な考えよりも、時間をかけて本質的な課題を探る東洋医学的な考えが好きなのかもしれませんね(笑)。その為のスキル も磨いていきたいです。あくまで遊び心を忘れず、楽しみながら進めていきたいですね。
また、伝えることも大切にしていきたいと思っています。税理士や、若手の診断士、起業家の方々に、ソーシャルイノベーションについてお話しする機会も増えてきました。ほかにも、自主勉強会の開催など、場づくりにも挑戦していきます。

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山中: そんな支援をしてもらえる税理士さん、頼もしいですね! 塾に来る前と今と、何が大きく変わりましたか?

田中: 漠然としていた想いがクリアになりました。それには、IC塾の時間以外に開催されている、フォローアップ会の効果が大きかったです。塾長やSILKの大室 所長が塾生の実現したい未来の本質について塾生と対話をするのですが、そのやりとりがまるで「禅問答」のように濃いんです(笑)。それをきっかけに、徹底的に「自分のやりたいことの本質」について考え続けました。普段の日常にそんな機会はないし、期限がないとなかなかできないと思います。ただ、1ヶ月間考え続けた考えに対し、「それは手段であって本質ではない」なんてコメントされると、その時は「なんでやねん!」と思うんですけど、帰ってしばらくすると 「その通りだな」と思う(笑)。小さいトンネルをいくつも通り抜けて、振り返って「あぁそうだったんだ」と気づく感じです。

■受講をお勧めしたい方:「何か今の社会にモヤモヤを抱えている方。イノベーションを望むならば、自分でその一歩を!」

山中: 第二期の募集がスタートしましたが、どんな人に塾を勧めたいですか?

田中: 何か今の社会にモヤモヤを抱えている方でしょうか。きっと、社会に不満があって、風穴をあけるようなイノベーションを望んでいるのだと思います。でも、 待っていても自分の代わりにそれをやってくれる人はいません。自分でその一歩を踏み出さないといけない。その一歩を支えるのがイノベーション・キュレー ター塾だと思います。

山中: ありがとうございました。田中さんのこれからのご活躍に期待しています!

聞き手-山中 はるな
京都市ソーシャルイノベーション研究所 イノベーション・キュレーター。広告出版会社での企画職を経て、2009年から京都市まちづくりアドバイザーとして勤務。ファシリテーションマインドとスキルを通して、住民参加型による 区の基本計画の策定、地域活性化のためのプロセスデザイン、コミュニティの対話の場づくりを行う。2015年より現職。「これからの 1000年を紡ぐ企業認定」、「イノベーション・キュレーター塾」事業担当。

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    photo:お話を伺った方:田中慎さん
    お話を伺った方:田中慎さん
    税理士・中小企業診断士 / イノベーション・キュレーター塾 第一期生

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