PREMIUM FRIDAY INTERVIEW
Jul 28.2017

SILK流!プレミアムフライデー インタビュー企画 【第6回目ヒトミトモコさん(有限会社シサム工房)】

ワークとライフをバリっと分けて、余暇を充実させるのも素敵ですが、イキイキできる好きなシゴトを通して人生を充実させ、充実した人生をまたシゴトに活かしていくことで、色とりどりの社会をつくる、という生き方をSILKは応援しています。

毎月のプレミアムフライデーに「ワークライフミックス」の生き方を考えるきっかけにしてもらえたらと思い、2017年2月より毎月、インタビュー記事を掲載しています。

第6回目は、「これからの1000年を紡ぐ企業認定」第一回認定企業であり、京都で18年前からフェアトレードショップを経営されている有限会社シサム工房 取締役のヒトミトモコさんです。京大農学部の隣の店舗と聞いて、イメージできる方も多いのではと思います。ヒトミさんがフェアトレードを通して実現したい未来をぜひ感じてください!

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SILK流!プレミアムフライデー  インタビュー企画 【第6回目ヒトミトモコさん(有限会社シサム工房)】

Q: どんな仕事をされているか、簡単に教えてください

人見: 1999年より、フェアトレードを世に広げる会社「シサム工房」を経営しています。

「お買い物の力で  思いやりに満ちた社会をつくる  担い手となる」というVISIONのもと、海外5カ国にまたがる、多くのフェアトレードNGOと共にものづくりを行い、シサム工房に集う50余名の仲間とともに販売の拡充に日々努力しています。

お買い物には「社会を変える力」があります。 シサム工房では、フェアトレード品を中心に「作り手」、「売り手」、「買い手」、「社会」、「地球環境」の「五方良し」を目指した商品やサービスを広めることで、貧困・児童労働・環境問題などの社会課題の解決を目指しています。

その中で、人種や性別、文化、宗教などの違いを超えて、多様な人々が、対話と尊重を基盤に関係性を豊かにはぐくみながら、同じ地球上に暮らす良き隣人(”シサム”はアイヌ語で”隣人”を意味します)として、生き生きと共存する社会=「思いやりに満ちた社会」が実現できたらと思っています。

シサム工房は、左京区の京都大学に取り囲まれるような立地の小さなショップから始まり、現在、京阪神、東京に渡り、8店舗を展開しています。オンラインショップや、卸事業も順調に伸びており、日本全国および、海外にも取扱い店舗が広がっています。

主に私は、海外のフェアトレード生産者との折衝や、オリジナルの商品の開発から入荷までの統括を担当しています。
海外でのものづくりを進めていくにあたり、現地への出張も多く、フェアトレードの生産者側の現場に触れられる、活気に満ちたやりがいのある仕事です。

技術指導。できたらみんなうれしい

Q: シゴトしている時と生活している時、共通して大切にしていることは何ですか?

人見: 何をする時にも、ジブンの行動や消費が、社会への「投票」であることに思いを馳せるようにしています。

シゴトをしている時は、もちろん、フェアトレードのプロフェッショナルチームとして、「お買い物の力で  思いやりに満ちた社会をつくる  担い手となる」というVISIONに沿うよう、国境を越えた「五方良し」に思いを馳せてものごとを進めています。

生活している時にも、その「五方良し」の理念に矛盾のない生き方をしたいと思っています。フェアトレードの洋服を身に着け、オーガニックでフードマイレージの短い季節の食品を選んでいます。自宅の電気も100%自然エネルギーの電力会社(生活クラブエナジー)にいち早く乗り換えました。子どもたちとも、娯楽はテレビやゲームでなく、もっぱら自然の中やスポーツで楽しんでいます。

ですが、残念ながら、今のフェアトレード商品のラインアップでは、生活のすべてのニーズを満たすことはできません。家も、車も、パソコンも、携帯も、日常雑貨もろもろ、大きなものから小さなものまで、ほとんどの場合、従来のマーケットで買うしかありません。結婚式やお葬式なども、ほとんどの人にとって、社会的責任を満たすエシカルなサービスの選択肢は手近にはまだまだ少ないでしょう。

そんな中でも、社会や地球にベターな選択肢を想像力を働かせて選ぶようにしたり、一生活者として企業に要望を伝えることで、社会的責任のある選択をしたいというマーケットニーズがあることを知らせていきたいと思っています。

フェアトレードファッションショー

Q: 仕事をしていて特にうれしいと思うときは?

人見: 仕事の中で一番好きなのは、フェアトレードのこと、生産者さんたちのこと、多様な文化のこと、モノづくりのマニアックな話など、シサム工房の大切にしていることを、お客様やスタッフに直接伝えることです。人に「伝える」ということが、とても好きです。

そんな中で、お客様に「素敵!欲しい!嬉しい!なるほど!」という楽しい気持ちをもってもらって、お買いものをしていただけた時、これはもう、感無量です。近年はほとんど裏方にいて、店頭に登場しない私ですが、販売は天職だと思っています。

また、私が必死で伝えたことを、シサム工房のスタッフたちが、フェアトレードのストーリーテラーとなって、熱量たっぷりにお客様に伝えてくれている姿には、身震いがするぐらい感動します。そんなことが連鎖的に日常で起こっていく場であるシサム工房を皆で守り育ててこられたことには、感謝しかありません。

また、海外のフェアトレードパートナーに会いに行くのも、大好きな仕事の一つです。

毎度必ず持ち上がる難題を、ひとつひとつ一緒にクリアしていくやりがいや連帯感は、言葉にしきれないほどのものです。

フェアトレードの現場ファイターである、現地NGOスタッフや、モノづくりをしている生産者さんたちとの交流の中には、いつもたくさんの学びがあります。文化も言語も人種も、生まれ育った環境もさまざまな人たちと、温かい安心感と信頼感をもって長年お付き合いができているのは、本当に幸せだと思います。

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Q: 仕事や人生を通じて実現したいことは何ですか?

人見: 実現したい未来は、もちろん、「思いやりに満ちた社会」です。

弱い人も強い人も、いろんな人が、お互いへの思いやりを心に、よき隣人として生き生きと共存できる社会。考えただけでも、わくわくします。

タイの奥地で劇的にフェアトレードに出会い、「フェアトレードをライフワークにする。」と決意したのが、20年前。自分のうすっぺらな経験値や能力に打ちのめされそうになりながら、自分のできること、適性を一つ一つ見つけて行っては、出会いと仲間に恵まれ進んできた日々でした。
これからも、感謝の気持ちと、学びの意欲を強くもって、「今、ここ、そして明日」を大切にしていきたいと思います。

シサム工房京都裏寺店通り店


 

シサム工房では、現在、一緒に働いてくれるメンバーを募集しています。
ご関心のある方はこちらをご覧ください!
http://www.sisam.jp/recruit.html


[ SILK流!プレミアムフライデーインタビュー ]

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第5回 :奥村咲華さん Dari K(株)

第4回 :益田晴子さん (株)IKEUCHI ORGANIC 店長

第3回 :田房夏波さん (株)和える 店長

第2回 :松田明日香さん (株)坂ノ途中 ウェブマーケター

第1回 :山中はるな SILKコーディネーター


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