INTERVIEW
Jul 3.2017

京都生活協同組合 伊倉真弓さんーイノベーション・キュレーター塾生インタビュー 

現在、第3期生を募集中のイノベーション・キュレーター塾
こちらでは、今まで参加された塾生へのインタビューにより、塾の魅力と、塾生のみなさんに起こった変化についてご紹介します。

2人目の塾生は、京都生協の事業戦略室で働いておられる伊倉真弓さん。仕事でもやもやすることも多いけど、自分ができることなんて限られてるし…という思考から、「結果にとらわれすぎず、まずは動いてみる」、という体質に変わったという伊倉さん。塾に来たことで、生き方や働き方の軸ができたと感じておられます。

ぜひ伊倉さんのインタビューを呼んで、未来への一歩をイノベーション・キュレーター塾で踏み出しませんか?

第三期イノベーション・キュレーター塾生募集についてはこちらから

京都生活協同組合 伊倉真弓さんーイノベーション・キュレーター塾生インタビュー 

山中: 今どんな仕事をされていますか?

伊倉: 私は京都生活協同組合 事業戦略室で仕事をしています。組織の中期計画作成や政策立案の担当になり、広い視野とネットワークが必要ということで、上司より塾を勧められ、受講しました。

山中: 実際に入塾してみて、いかがでしたか?

伊倉: 「世の中には自分で課題を見つけて突き進んでいる人がこんなにいるんだ!」と素直に感動しました。また、塾を通して毎月そんな方々とお会いすることで、その存在が身近になりましたね。それだけではく、塾のたびに塾長から「これは他人の事じゃなく、自分のことなんやで」と毎回突き付けられる(笑)。
仕事を通して日々出会う大小の課題もありますし、その中で「もやもや」していることもありましたが、そこまで問題をシャープに捉えられていませんでした。しかし、塾の授業や宿題を通して、考える時間が増えていき、だんだんと明確になってきたと思います。
塾では毎回スピーカーとテーマが変わりますが、自分がそこで受け取ってきたことを突き詰めると、「いかに生きるか」を考える時間だったと思います。生き方と働き方の価値観を分けない考え方というか、哲学を学びました。

山中: 具体的に、変わったことはありますか?

伊倉: 自分の思考パターンも「~になったらいいのに」から、「じゃあ実際にどうするのか」が加わりました。自分の中で特に大きかったブレイクスルーは、いつも課題を考える時に「生協ならどうする?」というフィルターを通して考えていましたが、そのフィルターを外して、「私はどう思う?」と考えるようになりました。私個人の価値観や人生の中でどうしたいと思うかを考え、そこから「仕事を通してどう実現するか」を考えるようになりました。

第四回ゲスト Patagonia日本支社長の辻井さんから事業に対するコメントを受けている伊倉さん

第四回ゲストPatagonia日本支社長の辻井さんから事業に対するアドバイスを受けている伊倉さん

山中: 特に印象に残っている回はありますか?

伊倉: 髙津塾長のお話は衝撃でした。フェアトレードを通して消費や物流を変えるお仕事をなさっていますが、私も大学に入学した頃(20年くらい前!)にはフェアトレードに出会って、広がっていけばいいなと漠然と思っていたのですが、それを塾長は形にされていて驚きました。一体自分と塾長は何が違うのか?経験なのか?そうだとしたら、自分がそれをカバーするにはどうしたらいいか、真剣に考える契機になりました。

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塾長に質問中

山中: 今、変えたいと思っていることはありますか?

伊倉: 先日、京都生協の中期計画を策定しました。その中の5本柱の中に「新しいことに挑戦できる職員組織」という柱があります。生協は1964年にできた組織で、現在53万人の組合員組織となっています。組織として大きく充実してきた半面、よりよいサービスを目指すのと、すべての方に均一のサービスを提供することが両立しないことがあります。たとえば、ロットの大きな取引ができる企業との取引しか実現できないことや、大きな組織の中で動きにくいというジレンマもあります。
また、新しいことを始めたくても、「それは他でやっている事例があるのか」と確認されたり、組織内での合意をとるのに時間がかかってなかなか動けなかったりということがあります。しかし、その間に世の中はどんどん動いていく…というジレンマがありました。しかし、私がやるべきことは、外に目を向けて情報を仕入れる。そして、最終的に組めないかもしれないけれど、会って、話して、つながるところからスタートする。そんな関係をたくさんの外部の方と作っていくことが必要だと思っています。

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自身のプロジェクトについて発表・議論

山中: 基本的な考え方やスタンスに大きな変化が出てきたのですね。今取り組んでいることはありますか?

伊倉: 2030構想という長期プランをもってとりくみを進めており、2018年までは「飛躍のための種まき期間」と位置付けています。新しいことに挑戦できるよう「土台」をしっかりつくっていくことが重要だと考え、プロジェクトをスタートさせました。その名も「コトバの整理大作戦」です。生協には歴史と共に、たくさんの言葉が作られ、使われていますが、それがたくさんありすぎて、どれを共通の言語にするのか、全体の合意が難しい面があります。せめて生協内部の今のスタッフが心に沁みる言葉を作る。自分たちが立ち返って頑張れる理念を創りたいとスタートしました。45歳以下の12名のメンバーを公募したところ、募集の倍の応募が来ました。若手の中で、新しいことを求める思いが強いのだと痛感しました。

山中: 今後の展望は?

伊倉: 職員全員がイノベーション・キュレーターになる必要があると考えています。先日、「これからの1000年を紡ぐ企業認定」の授与式でシサム工房の水野代表が、シサムのスタッフは全員ストーリーテラーであるとおっしゃっていました。生協でいうと、本部スタッフも、店舗スタッフも、配達スタッフも、すべてがそうありたいと感じました。この塾で私が身につけた視点や、「ジブン事」で組織を・社会を変えるという視点を組織内部でも広めていき、変革を行い続ける必要があると思っています。
また、他の流通業では提供できない、生協だから提供できるシャープな価値を組合員の方にお届けしたいと思います。商品の質もそうですし、エシカル消費や平和、持続可能な社会などの勉強会や対話など、生きることや社会について深く考えられる場を改めて提供する場が必要だと思います。
私、人が好きなんです。働いている人、周りにいる人、関わっている人が笑顔になることが、自分にとっても何より楽しく、嬉しいので、この輪を確実に大きく広げて行きたいと思います。
塾を通して自分の考えるサイクルが短くなって、高回転していると感じます。フットワークもそれに準じて軽くして、これからも動き続けたいですね。

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NPO法人ミラツク西村氏による、コラージュワークショップ中

山中: 最後に、どんな人にイノベーション・キュレーター塾を勧めたいですか?

伊倉: 「こういう社会になったらいいな」とモヤモヤする想いはあるけれど、まだ動き出せなかったり、壁にぶつかって先に進めない方にお勧めしたいですね。塾に来て、考え、話し、アクションする、このループをたくさん回すことで、見えてくるものがきっとあると思います!


photo:伊倉真弓さん
伊倉真弓さん
京都生協事業戦略室 イノベーション・キュレーター塾二期生

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